年金受給者は、二ヶ月に一度二ヶ月分の年金を振り込みで受給します。介護保険料は、そこから差し引かれます。この差し引きを8月支給分から引く手続きにミスがあり、8月の介護保険料は、自動引き落としではなく、振込用紙による納付になりました。 このミスの影響額が大きいということで、市長が一昨日謝罪会見しました。議会への説明も同日ありました。 このミスは、前年度の収入で翌年からの健康保険料の金額を変更する基準月の変更を変えたときに、介護保険料の8月引き落とし分が0円になったままであることに気がつかずに国に提出した書類ミスによるものです。 これを阿武町の給付金振り込みミスと比較すると、大きな違いは金が盗まれた事件ではないことです。原因が、職員が確認しなかったことは同じです。 仕事のチェックを怠らないということは簡単に言えますが、デジタル化社会になり、紙で確認するのと違い、外から見たら同じであるファイルの中味を確認することはそう簡単ではありません。 例えば、メールの確認です。会議の打ち合わせ議事録をメールで関係者すべてにCCで送信することが普通になりました。膨大な資料を送信したからと言って、相手が確認したとか要件を伝えて了解を得たということにはなりません。 私個人では、毎週200を超えるメールがパソコンに届きます。毎日見るメールはスマホに送ってもらい、パソコンのメールは週末に一度目を通すことにしています。膨大なメールの中からタイトルを見て読まないメールを仕分けしたり目を通して返信したりする作業だけでも数時間かかります。資料に全部目を通すことは時間的に不可能です。 税金を扱う市役所の仕事にミスがあってはなりません。しかしこのミスは人為的に起きたとは言え、デジタル化社会になったことから起こるべきして起きたミスだと思います。 国においてはデジタル化を推進しています。役所の業務でデジタル化によって便利になったことのメリットは莫大にありますが、それによってこれまでになかったミスが発生することは今のままだと止められないでしょう。デジタル化社会は便利になったことで、扱う情報量も膨大になりました。 職員のミスは市長の責任だと責めるより、根本的な解決策を考えるのが正解ではないでしょうか。 |
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