今日の宇部日報の山陽小野田市の記事ですが、公共施設の耐用年数の話でコンクリートの寿命が40年と書いてありますが間違いです。建築関係の学校でも習うのですが、通常60年はコンクリートの強度はもつと言われています。(もたないというのは、いきなり強度が0になることではありません)鉄筋の配筋や被覆などの施工精度による劣化は考えられますが、40年というのは少な過ぎます。私の感覚では、普通は60年、生コンなどの施工精度が良ければ100年もつと言いたいほどです。身近なところでは旧宇部銀行館が証明しています。 最近、よく『耐震診断』という言葉を耳にすると思います。これは、昭和56年に建築基準法が改正され、それ以降『新耐震設計基準』に基づき構造計算が行われており、旧基準で造られた建築物が、新基準で耐えるかどうかを診断するものです。 新耐震基準では、層間変形角、偏心率、剛性率、保有水平耐力など、地震による水平力の概念とは全く異なる新しい計算方法のチェックが求められています。新基準を満たさず旧基準で建てられたから、地震にもたないというわけではありません。旧基準でも余力を充分もって設計されていれば、問題はありません。構造設計の専門家として言わせてもらえば、これまでの多くの地震に耐えてきた建築物ですから、簡単に崩壊(この言葉は強烈です)する危険性が高いとは思いません。雨漏りとかの原因となる、部分的な破壊の可能性は高いとは思います。 新基準の基本的方針は、部分的に崩壊しても、人命に危害が及ばないこととしていますから、建築物の機能を全く壊さない建築物を保証しているわけではありません。
東北関東大震災の大きな原因は、津波です。震災が恐ろしいといっても、地震による建築物の崩壊のニュースはほとんど聞きません。それは、もうすでに、多くの旧基準の弱い建築物は、これまでの多くの地震(地震多発地帯ですから)で淘汰されているからだと思います。つまり、長年の地震で耐えてきた建築物は、これからも強いという証明ではないでしょうか。
今日も、平成22年度決算審査特別委員会がありました。3日間で審査が終了し、委員会で認定可決しました。 |
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